후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
せいあらば
生あらば
豊島 与志雄
豊島 与志雄의 生あらば(せいあらば)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 23,046자 · 47화면
そして急に水が飲みたくなったので勝手許の方へ行こうとした。縁側の障子を開けると其処は老婆の室だった。彼女はいつも床のわきに屏風を立てて眠っていた。彼はその側を通りすぎようとすると、床の上に坐っている老婆の姿が屏風の影からふと彼の眼に入った。枕頭の淡い豆ランプの光りが五燭の電燈の薄暗い室にぽつりとついていた。それが第一に異様であった。そしてその側で老婆は手に欝金木綿の袋を掴んで、じっと屏風の影から彼の方を窺っていた。白くなりかけた髪の毛と赤黝い額と低い鼻とが一緒になって、その中から小さい鋭い眼が睥んでいた。壮助はそれらを一目に見て取った。そして全身にぞーっと冷水を浴びたような気がした。彼は急いで勝手許に行って水を一杯口にすると、そのまままた駈けるようにして自分の室に帰った。
その光景が長く彼を悩ました。彼は下宿を変ろうと思ったが、老婆一人と小婢と同宿人一人との気兼ねなさと、室が日光りがよくて気に入ったのと、食物のまずい代りに比較的安価なのと、引越の面倒くさいこととのために、そのままになってしまったのであった。そしてその光景もいつしか彼の記憶の中に薄れてしまっていた。