후리가나로 읽는 일본 고전
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せいぜんしんごのこと
生前身後の事
中里 介山
中里 介山의 生前身後の事(せいぜんしんごのこと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 41,804자 · 83화면
のだ、普通の人なら少くとも五年前に死んでいたのだ、その後は意地だけであそこまで通して来たのだ、中耳炎というのはその当座の病名だけのものだ、我輩から云わせれば社会の軽薄なる人気が寄ってたかって彼を虐殺してしまったのだ、丁度、松井須磨子を殺したように、また後の文士直木三十五と称するこれは素質から云っても程度から云っても須磨子や沢正に下ること数等のものだが、そんなような手合をすら稀に見る天才かの如く持ち上げて、そうして過分の労力を消耗させて殆んど虐殺に等しい最期をさせた、余輩は斯ういう行き方を非常に嫌う、もし沢正にして他の人気やグループを悉く脱出しても真に大菩薩峠の作意を諒解し、我輩の忠言を聴き節を屈し己れを捨て、そうして磨きをかけたならばはじめて古今無類の立派な名優が出来上ったに相違ないと我輩は思う、世間の賞めるのは彼の最も悪いところを賞めるのである、彼の最もよいと云われるところは我輩から見れば毫釐の差が天地の距りとなっている、彼が最後まで机竜之助を演りたい演りたいということに憧れて憧れ死にをしたような心中は、真に惜しいことであるが、この一枚の隔たりがとうとう彼には見破られないで亡くなった