후리가나로 읽는 일본 고전
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せいしまんじどもえ
生死卍巴
国枝 史郎
国枝 史郎의 生死卍巴(せいしまんじどもえ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 91,598자 · 182화면
その上に半里の道程を、死に物狂いに走って来たのである。疲労切ったのは当然と云えよう。
とうとう侍女達は草の上へ坐って、慟哭の声を上げ出した。もう一寸も歩けないのであった。
慟哭をしている侍女達を巡って、曠野は広く物寂しく、しかし草の花や灌木の花に、華やかに飾られて拡がっていて、その草の花の間から、また灌木の花の間から、兎や野猫や黄鼬などが、いぶかしそうに顔を覗かせ、侍女達の方を窺った。それらの物の上にあるのは、晴れた六月の蒼い空と、燃えている六月の太陽とで、鳶らしい鳥や烏らしい鳥や、鷹らしい鳥や野鳩らしい鳥が、そういう地上の悲惨事などには、関係がないというように翼を揮って翔けてもいた。
走って行く力はなくなっていたが、声を上げる力は残っていた。
で侍女達は慟哭しながら、
「オ――イ! オ――イ! オ――イ! オ――イ!」と、呼んだ。
悲しみに充ちた声であった。曠野にはいつの場合でも、微風が渡っているものである。その微風に乗りながら、その悲しい侍女達の声は、遠くへ送られて行くようであった。
とはいえ半里をへだてている、白河戸郷の郷へまでは、送られて行くものとは思われない。