후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
だんじょどうけん
男女同権
太宰 治의 男女同権(だんじょどうけん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 16,735자 · 32화면
私はその頃、或るインチキ新聞の広告取りみたいな事もやって居りまして、炎天下あせだくになって、東京市中を走りまわり、行く先々で乞食同様のあつかいを受け、それでも笑ってぺこぺこ百万遍お辞儀をして、どうやら一円紙幣を十枚ちかく集める事が出来て、たいへんな意気込みで家へ帰ってまいりましたが、忘れも致しません、残暑の頃の夕方で女房は縁側で両肌を脱ぎ髪を洗っていまして、私が、おいきょうは大金を持って来たよ、と言い、その紙幣を見せましても、女房はにこりともせず、一円札ならたかが知れている、と言いまして、また髪を洗いつづけます。私は世にも情無い気持になりまして、それではこの金は要らないのか、と言いますと、彼女は落ちついて自分の膝元を顎で差し、ここへ置きなさい、と言うのです。私は、言いつけられたとおりにそこへ置いたとたん、さっと夕風が吹いて来て、その紙幣が庭へ飛び散りまして、一円札でも何でも、私にとっては死ぬほどの苦労をして集めて来た大金です、思わず、あっと声を挙げて庭に降りてその紙幣の後を追った時の、みじめな気持ったら比類の無いものでございました。この女は、信州にたった一人の肉親の弟があるとか言って、私の集めて来るお金はたいていその弟のところへ為替で送られるのでした。