후리가나로 읽는 일본 고전
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ぎわく
疑惑
芥川 竜之介의 疑惑(ぎわく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 12,341자 · 25화면
「夜中、殊に御忙しい所を御邪魔に上りまして、何とも申し訳の致しようはございませんが、ちと折入って先生に御願い申したい儀がございまして、失礼をも顧ず、参上致したような次第でございます。」
ようやく最初のショックから恢復した私は、その男がこう弁じ立てている間に、始めて落着いて相手を観察した。彼は額の広い、頬のこけた、年にも似合わず眼に働きのある、品の好い半白の人物だった。それが紋附でこそなかったが、見苦しからぬ羽織袴で、しかも膝のあたりにはちゃんと扇面を控えていた。ただ、咄嗟の際にも私の神経を刺戟したのは、彼の左の手の指が一本欠けている事だった。私はふとそれに気がつくと、我知らず眼をその手から外らさないではいられなかった。
「何か御用ですか。」
私は読みかけた書物を閉じながら、無愛想にこう問いかけた。云うまでもなく私には、彼の唐突な訪問が意外であると共に腹立しかった。と同時にまた別荘番が一言もこの客来を取次がないのも不審だった。しかしその男は私の冷淡な言葉にもめげないで、もう一度額を畳につけると、相不変朗読でもしそうな調子で、
「申し遅れましたが、私は中村玄道と申しますもので、やはり毎日先生の御講演を伺いに出て居りますが、勿論多数の中でございますから、御見覚えもございますまい。