일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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くじょしょうろく

痀女抄録

矢田 津世子

矢田 津世子의 痀女抄録(くじょしょうろく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 32,578자 · 65화면

아오조라 문고

加福の師匠は郷里に在る頃、山中の禅寺に籠ったことがあるときいていたが、朝毎、枠台を前に端座して黙然としていられるのは、そのころからの慣わしらしい。枠にとりかかると、誰れにも会わぬ仕来りであった。

こんなことがあった。

父の供をしていつかも師匠宅を訪ねると玄関の間には既に先客があって、急ぎの用事か頻りに取り次ぎ方を門弟に頼みこんでいた。永年のことで、わたくしたちは断りなしに、いつもの茶の間に通った。次の六畳ふた間が仕事部屋にあてられてある。師匠は、小庭に面したいつもの位置に少しばかり上体を俯向けて端座して、深廂のぬるい光線をうけて枠ばりの琥珀か何かに針をとおしていられた。玄関の間の先客は襖かげから顔をさし出しては急き立てる。枠にかかっている間、人に会わぬその慣わしを心得ているゆえ門弟たちはこの忙しない客をもてあましきっているふうだったが、またも急き立てられると渋りながらも、ひとりが告げに立った。師匠はしずかに針を通していられる。尚ふた言三言かけて、下りかけると師匠が呼び止めた。不足している分の色糸を持って来るようにとのためであった。

こんなこともあった。