후리가나로 읽는 일본 고전
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らい
癩
島木 健作
島木 健作의 癩(らい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 37,753자 · 74화면
の姿態などが目先にちらついて離れがたいのであった。ほとんど何年ぶりかで食った汽車弁当の味も、今もなお舌なめずりせずにはいられない旨さで思い出された。彼はそれをS市をすぎて間もなくある小駅に汽車が着いた時に与えられ、汽車中の衆人の環視のなかでがつがつとした思いで貪り食ったのである。――しかし、一週間を過ぎたころにはこれらのすべての記憶もやがて意識の底ふかく沈んで行き、灰いろの単調な生活が再び現実のものとして帰って来、それとともに新しく連れて来られた自分の周囲をしみじみと眺めまわして見る心の落着きをも彼は取り戻したのであった。
独房の窓は西に向って展いていた。
昼飯を終えるころから、日は高い鉄格子の窓を通して流れ込み、コンクリートの壁をじりじりと灼いた。午後の二時三時ごろには、日はちょうど室内の中央に坐っている人間の身体にまともにあたり、ゆるやかな弧をえがきながら次第に静かに移って、西空が赤く焼くるころおいにようやく弱々しい光りを他の側の壁に投げかけるのであった。ここの建物は総体が赤煉瓦とコンクリートとだけで組み立てられていたから、夜は夜で、昼のうち太陽の光りに灼けきった石の熱が室内にこもり、夜じゅうその熱は発散しきることなく、暁方わずかに心持ち冷えるかと思われるだけであった。