후리가나로 읽는 일본 고전
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らい
癩
島木 健作
島木 健作의 癩(らい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 37,753자 · 74화면
その男がここへ来て一と月あまりを経たある日、手紙を書きに監房を出て行った村井源吉がやがて帰ってくると、声をひそめてあわただしく太田を呼ぶのであった。
「太田さん、起きてますか」
「ああ、起きてますよ、何です」
「例の一房の先生ね、あの先生の名前がわかりましたよ」
「なに、名前がわかったって!」太田は思わず身をのり出して訊いた。「どうしてわかったの? そして何ていうんです」
「岡田、岡田良造っていうんですよ。今、葉書を見て来たんです」
「え、岡田良造だって」
村井は葉書を書きに廊下へ出て行き、そこで例の男が村井よりも先に出て書いて行った葉書を偶然見て来たのであった。癩病患者の書いたものに対するいとわしさから、書信係の役人が板の上にその葉書を張りつけ、日光消毒をしていたのを見て、村井は男の名を知ったのである。「え、岡田良造だって」と太田の問い返した言葉のなかに、村井は、なみなみならぬ気はいを感じた。
「どうしたのです、太田さん。岡田って知ってでもいるんですか」
「いや……、ただちょっときいたような名なんだが」
さり気なく言って太田は監房の中へ戻って来た。強い打撃を後頭部に受けた時のように目の前がくらくらし、足元もたよりなかったが、寝台の端に手をかけてしばらくはじっと立ったまま動かずにいた。