후리가나로 읽는 일본 고전
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しろいかべ
白い壁
本庄 陸男
本庄 陸男의 白い壁(しろいかべ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 25,697자 · 51화면
劇しく光る四十対の瞳に射すくめられて、解答をあたええない教師の顔はやがてしだいに蒼ざめてきた。すると元木武夫は、堰を突然断つようにげらげらまた笑いはじめる。教室の緊張がどっと破れてしまった。その騒音に包まれて杉本は、なぜかほっと胸の閊えを吐きだすのであった。
窓ぎわにいた塚原が今度は立ちあがった。年じゅうきょろきょろしている彼は、「注意散漫」という特性が刻印されていた。だが彼はその時、瞬間的な義憤に口から泡をとばして元木武夫に喰ってかかった。
「元木のばか野郎――大久保彦ぜえもんにお内儀さんなんどいるもんけえ、すっこんでろ、やい元木!」それだけ喚きとばした塚原の注意は、次の瞬間さっと窓外の雨に向き替っていた。梧桐の広葉が眼の下に見え、灰色にくすんだ運動場は雨の底にしぶいていた。そしてふたたび教師にその眼を移したのであるが、その時、塚原義夫のきょとんとした黒い瞳には珍らしく泪が浮んでいるのであった。
「先生え、あたいん家にはね、あたいの父にはお内儀さんがいねえんだよ」
「ば、ば、ばかだなあ――お前」と元木が教師の下から喚いて両手を自分の鼻先に泳がし劇しく否定した。