후리가나로 읽는 일본 고전
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しろいつばさ
白い翼
宮本 百合子
宮本 百合子의 白い翼(しろいつばさ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N1. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N1 · 고급 · 신자체·신가나 · 2,369자 · 5화면
此方へ何故来ないのであろう。疑問で雄鳩の心は狂いそうになった。彼は小屋の中へ急いで駈け込んだ。天井に頭を打ちつけながら額の裏を探した。雌はいなかった。しかも、土間のその小屋の中へ舞い降りると、そこには紛れないもう一つの鳩がいるのであった。雄鳩は恐れを忘れ切なく嘴でもう一つの鳩の嘴をつきながら鳴いた。
人は鏡を仕舞ったが、雄鳩は計らず見たもう一つの鳩を忘れなかった。彼はそれを自分の妻だと深く信じたのであった。雄鳩は今日も明日も根気よく家の中を翔び廻って再び見失った雌を探した。多くの黎明と夕暮が過ぎた。初冬が来た。昼間と夜とがいきなり続くほど暮れ方が短くなった。
そういう一つの遽しい夕方、雄鳩は独り家に入った。人気なく、部屋への障子が開け放されている。彼は飢を感じた。麦のある戸棚の方へ飛び立った時、雄鳩は再び見た、忘れぬもう一つの鳩を。彼は自分が飛び立った初めの目的をも忘れ、まだ点らない電燈の憂鬱に垂れた蓋に体をぶつけて翔び戻って来た。それは何か高いところであった。雄鳩の脚場の邪魔になる物がいろいろあって、彼がそれに止ろうとすると厭な音をたてて倒れた。