후리가나로 읽는 일본 고전
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しらぎく
白菊
夢野 久作
夢野 久作의 白菊(しらぎく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 12,486자 · 25화면
深刻な空腹と、極度に緊張した冷血さが、彼の全身数百の筋肉に疼きみちみちて来た。それにつれて、
……これこそ俺の最後の大仕事かも知れないぞ……。
という強烈な職業意識が、スキ透るほどギリギリと、彼の奥歯に噛み締められて来た。
恐ろしいものが一つ一つに彼の周囲から消え失せて行った。
彼は生皮革で巻いたマキリのをシッカリと握り直した。谷川の石で荒磨を掛けた反の強い白刃を、自分の背中に押し廻しながら、左手で静かに扉を押した。
それは天井の高い、五間四方ぐらいの部屋であった。幽雅な近代風のゴチック様式で、ゴブラン織の深紅の窓掛を絞った高い窓が、四方の壁にシンカンと並んでいた。
その窓と窓の間の壁面に、天井近くまで畳み上げられている夥しい棚という棚には、一面に、子供の人形が重なり合っているようである。和洋、男女、大小を問わず、裸体、半裸体、軽装、盛装の種類をつくして、世界中のあらゆる風俗を現わしているらしい抱き人形の一つ一つが皆、その大きく開いた眼で、あらぬ空間を眺めながら、この上もなく可愛らしい微笑を含んでいるようである。永遠に変らぬ空虚のイジラシサを競い合っているようである。