후리가나로 읽는 일본 고전
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ままのてこな
真間の手古奈
国枝 史郎
国枝 史郎의 真間の手古奈(ままのてこな)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 4,631자 · 10화면
――有名な宗長親王様の、このような和歌がございます」
「成程」
と、左衛門はうなずきました。
「で、私は申し上げましょう。物事はすべて一筋に、思い定めてはいけませんな。……とその他に和歌はございませぬかな」
「為家卿がうたわれましたそうで――もろともに行かぬ三河の八橋に、恋しとのみや思いわたらん」
「成程」
と左衛門はまたうなずきました。
「そこで私は申し上げましょう。恋しと思ってはいけませんとな。……その他に名歌はございませんかな」
「読人知らずではございますがこのような和歌もございます。――打わたし長き心は八橋の、くもでに思うことにたえせじ」
「成程」
と左衛門はまたいいました。
「蜘蛛手に思う恋の心が、突きつめて一つになった時に、恐ろしい一筋の恋となります。ご用心なされた方がよろしいようで」
すると、俄にお蘭という娘は、物悲しそうに俯向いて、口をとじてしまいました。蒼いまでに白い額の上へ、俯向いた拍子にもつれ毛がかかって、顫えを細かく見せて居りましたが、烈しい感情が胸に起こって、それが顫わせているようでした。
と、その様子をしばらくの間、左衛門は見守って居りましたが、やおら膝をその方へ進ませ長い顎髭を前へ差し出し、さとすような声でいいました。