일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ちちぶきこう

知々夫紀行

幸田 露伴

幸田 露伴의 知々夫紀行(ちちぶきこう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 15,784자 · 31화면

아오조라 문고

涼しく、心地よきこというばかりなし。武光山より右にあたりて山々連なり立てるが中に、三峰は少しく低く黒みて見ゆ。それより奥の方、甲斐境信濃境の高き嶺々重なり聳えて天の末をば限りたるは、雁坂十文字など名さえすさまじく呼ぶものなるべし。

進み進みて下影森を過ぎ上影森村というに至るに、秩父二十八番の観音へ詣らんにはここより入るべしと、道のわかれに立札せるあり。二十八番の観音は、その境内にいと深くして奇しき窟あるを以て名高きところなれば、秩父へ来し甲斐には特にも詣らんかとおもいしところなり。いざとて左のかたの小き径に入る。枝路のことなれば闊からず平かならず、誰が造りしともなく自然と里人が踏みならせしものなるべく、草に埋もれ木の根に荒れて明らかならず、迷わんとすること数次なり。山沿いの木下蔭小暗きあたりを下ること少時にして、橋立川と呼ぶものなるべし、水音の涼しげに響くを聞く。それより右に打ち開けたるところを望みつつ、左の山の腰を繞りて岨道を上り行くに、形おかしき鼠色の巌の峙てるあり。おもしろきさまの巌よと心留まりて、ふりかえり見れば、すぐその傍の山の根に、格子しつらい鎖さし固め、猥に人の入るを許さずと記したるあり。