후리가나로 읽는 일본 고전
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せきゆのみやこバクーへ
石油の都バクーへ
宮本 百合子
宮本 百合子의 石油の都バクーへ(せきゆのみやこバクーへ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 8,004자 · 16화면
――軈てそれを観に自分たちも室を去った。
三
風がきつい。石油が細いピストンのようなものの間から吹き出して、私のブラウズの胸にかかった。おやと云っているまにもう風に散らされ、しみが微かにのこったばかりである。汲出櫓の上に登っているのであるが、右手を見ると、粗末な石垣のすぐそこから曇天と風とで荒々しく濁ったカスピ海がひろがり、海の中へも一基、二基、三基と汲出櫓が列をなしてのり込んで行っている。
風と海のざわめきとの間にも微かなキューキューいう規則正しい音が聞える。子供の時分ランプへ石油を注ぐ時使う金の道具があった。それを石油カンにさして細い針金を引っぱり石油をランプに汲み上げるときキューキュー一種の音を立てた。そっくりその通りではないが、それに似た音と、トン、トンと間を置く遠い音響が、自分の登っている櫓からばかりでなく数々の櫓の間から何処とも知れず聞えている。
この辺一帯は革命後になってはじめて穿鑿された油田だそうだ。「ウラジミル・イリイッチ油田」と呼ばれている。バクーの市から一番近い。掘りはじめは不成績であったので放棄する意見が技術委員会の大半を占めた、その時、数人の若い連中ががんばって遂にこんなに豊富な源泉に当った。