후리가나로 읽는 일본 고전
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しゅくはい
祝盃
菊池 寛
菊池 寛의 祝盃(しゅくはい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 2,843자 · 6화면
「文学に志したのだから、せめて翻訳でもして、文名を成したい。」
そんな謙虚な事を考えていた啓吉は今では、思いがけなくも新進作家として、相当な位置を占めている。久野などは啓吉よりも、更に一年も早く文壇に出てしまっている。
久野も啓吉も黙って歩いていた。五六年前には、何の相違もなかった三人の間に、今では社会的には、ハッキリとした区劃が付いている。
久野敏雄といえば、文学好きの青年は、大抵名前だけは知っている。が、青木好男といっても、誰が知っているだろう。五六年前は、同窓の間では、敬意と、かすかではあるが、驚異とを以て、呼ばれたその名前が、今では何人も知らない平凡な普通人の名前になってしまっている。
「僕ね。今度台湾の方へ行くようになったのだよ。総督府に調査部というのがあってね。そこへ行くことになったんだ。」
三人の沈黙を破るように、青木は昔ながらの、美しい沈んだ声でいった。
「そうか。それは結構だね。」と、久野も啓吉も同時にいった。が、二人ともそれについて、何の意味もなかった。思索家として、優れた芽を持っていそうに見えた青木が、調査部とか何とかいう雑務に従事するということが、久野や啓吉の心を暗くした。