후리가나로 읽는 일본 고전
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かぐらざか
神楽坂
矢田 津世子
矢田 津世子의 神楽坂(かぐらざか)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 19,611자 · 40화면
と奥へ声をかける。妙なことを云う婆さんだと別に気にもかけずにいたが、ある時、その訳をおっ母さんにきかされてからは婆さんを見るのが厭でならない。東北生れの婆さんは女の子をこんな風に呼び慣れているそうである。呼ばれるたびにお初は身内がむず痒いような熱っぽいいらいらした気分になる。――丁度それによく似た厭な気分をお初はおっ母さんに感じるのである。そうとも知らないおっ母さんは「お初は、まあ、気がねなどをしてさ」などと独り言を云うて揉み手をしながら降りていく。そして、梯子段の下で癖の二階の気配に耳をすますような恰好をしてから、店つづきになっている四畳半の火の気のない長火鉢の前へつくねんと坐って通りの方を眺めているのが例になっている。
今もそんな風に通りをみていたおっ母さんは、欠伸をしながら柱にかかっていた孫の手をはずして円めた背中へさしこんで、心地よさそうに眼をつむって掻いている。
二
馬淵の爺さんが妾宅を出たのは十一時が打ってからであった。毘沙門前の屋台鮨でとろを二つ三つつまんで、それで結構散財した気もちになって夜店をひやかしながら帰って行く。電車通りを越えてすぐの左手の家具屋の露地を曲ると虎丸撞球場というのがある。