후리가나로 읽는 일본 고전
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しほんたいへいき
私本太平記
吉川 英治
吉川 英治의 私本太平記(しほんたいへいき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 126,598자 · 254화면
街道の比叡ノ辻では、柵を結んでいちいち往来を検問しているし、日吉ノ社には、僧兵の陣が、湖を望んで、なにかどよめきをあげている。
「や。これは」
柵を前に、立ちたじろいで、ふり返ると、なるほど、琵琶湖の上にも、僧兵を乗せたあまたな小舟が、幾艘もの運輸船をとり囲んで、柳ヶ崎からおびただしい軍需の糧秣や馬匹などを陸上げさせている様子だ。右馬介は、鎌倉で別れたときの高氏の言を、とたんに思い出して、
「たいへんだ!」
と、つい叫んだ。
阿新と久米内をうながして、急に道を引っ返し、堅田から龍華越えを抜けて、やっと洛北の大原へ入ることができた。
その途中でも、大薙刀をかいこんだ武装の僧にいくたびも誰何されたが、幸いに、少年の阿新丸を連れていたので、さしたる難も見ずに通された。かくて、都に入るまでには、あらましの真相も、ようやく判明した。
ついに、来るべき日が来たものというしかない。
この九月初旬。
北畠ノ権中納言具行の手で、天皇後醍醐の御名による徴兵の秘勅が、諸国の武門へむかって発せられた。
つまり、檄だ。檄をうけた武士の内には、すぐ鎌倉へそれを逆報した者もあった。