후리가나로 읽는 일본 고전
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しほんたいへいき
私本太平記(七)
吉川 英治
吉川 英治의 私本太平記(七)(しほんたいへいき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 330,262자 · 662화면
騒いでいた男の子の一ト組が駈け去ると、こんどは女童の組だけで鞠をつき、鞠つき唄をうたっていた。
朝ざくら
朝ざくら……
と、声をそろえ。
夕べのさくら
さくら咲く
桜の里の
さくら乙女子
正成は遠くにこれを聞いていた。奥の書院で法華経の写経をしていたのである。――筆をおき、自分も胸のうちで、唱歌をまねているうちに、ふと、写経机に涙をたれた。
焦土の都ではじつにさまざまな女を見かけた。売女、女盗人、女喧嘩、餓鬼のように髪ふりみだして女の羞恥もわすれた生態を見るたびに、彼は彼女をこうさせた戦のとがに「あわれ……」と胸を痛めるのが常だったが、この里のさくら乙女子たちも末始終まで、あのきれいな声と平和な姿でいられるだろうか。
こころもとない。むずかしい。武家のみならず、主上をめぐる堂上の公卿までがあのようでは……と思うにつけふと目が濡れてきたものだった。
「……われながら」
正成は、自嘲を覚えた。
「人のことばのごとく、これはちと、自分の気鬱気味か」
彼が郷里へ帰ったのは、もう十日ほど前になるが、たれ知らぬまであった。だが、つづいて四天王寺の正季もひきあげて来たことから、がぜん四隣の族党のあいだでは、いろんな論議や臆測がおこっていた。