일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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しほんたいへいき

私本太平記(七)

吉川 英治

吉川 英治의 私本太平記(七)(しほんたいへいき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 330,262자 · 662화면

아오조라 문고

――無にしてはすまない――と思うのだった。何であれ、千人の城兵が心を一つに発露した人間最高なあれは真美な火華であった。時により人間のうちには、土に拠って、あのような鉄の団結と相互愛をも持ち合えるものだということを、人間お互いの中に失わせたくない、疑わせたくないものと、正成は思うのだった。

「おや。……誰か来る」

そのとき、供の蔦王が、下の谷間道をさして、言っていた。

「おやかた様。妙な男が、こっちへ急いで登って来ますよ」

誰か。

と、正成も蔦王が指さす一個の人影を下に見ていた。

男は、千早谷からこっちへ喘ぎ登って来る途中なのである。といって、べつに気にする理由はないのだが、蔦王が「――妙な男」というままに、注意を向けていると、なるほど、怪しめば怪しまれぬこともない。

泥まみれな布直垂に、頭巾を粽にむすび、肩や袖には綻びをみせ、いかにも殺伐な風采であるばかりでなく、その足どりには、何かに追われているような迅さがあった。

「あっ。これは?」

たちまち、男は近づいていた。思わざる僥倖に、かえって驚いた風であり、坂道を降りて来た正成の前に、その姿を投げ出すなり、地に平伏してこう言った。