후리가나로 읽는 일본 고전
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しほんたいへいき
私本太平記(七)
吉川 英治
吉川 英治의 私本太平記(七)(しほんたいへいき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 330,262자 · 662화면
「……まずはお聞き給わりませ。いかんせん、これまでは、政途の茨、四囲の諸事情、足利家として、あらわに御当家と好誼を厚うするなどの儀は不可能にございましたが、今はまったく天下の形勢も異なってまいりました。しかも世は一転機のほかなき秋とも思われます。このたびのお使いとは、すなわち、私を以て、両家のかたい結盟を成しとげてまいれ。楠木殿のお望みもよう伺って立帰れとの、極秘のおいいつけにほかなりません」
正成は、聞いているのかいないのか、そら耳のように、淡い昼の月を仰いでいた。
石に腰かけている姿までが、石のごとき人に見える。
しかし、介はあくまでも、
「もしっ……」
と、懸命だった。雑草にうずめた膝がしらをにじりよせて、
「いかがでしょうか、打割ったお胸の底を、主君尊氏へ、お示し給わりますまいか。いやここで、私へお洩らし願えれば、かたじけのう存じますが」
と、息をつめた。
正成のしずかな眸は、やがてしげしげと介のおもてを見まもっていた。さて、べつにいうこともないような無感動をそのまま置いて。
「お使いのおもむきとは、それだけかの。――足利殿が、わざわざ、この正成ごとき者へ、好誼を深うしたいと仰っしゃって下されたのか」