후리가나로 읽는 일본 고전
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しほんたいへいき
私本太平記(七)
吉川 英治
吉川 英治의 私本太平記(七)(しほんたいへいき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 330,262자 · 662화면
五月。とうに雨期へはいっていたのである。
これまでわりに好天にめぐまれてきたのがむしろ僥倖で、その晩は、風さえ加わり、室ノ泊の内でさえ、すべての船が高く低くゆられとおした。舷と舷とがぶつかり合わぬために“ともづな番”の兵は夜どおし声をからしていた。
「……さて、これは悪い模様になったな」
次の日、尊氏もいくたびとなく、みよしに姿をたたずませていた。もことして、雨まじりの西風が波間をしぶき立てている。――すでに今日はと解纜を期していたのである。
この日、陸上軍の直義からは、もう何の連絡も来なかった。おそらくはそのいとまなく、加古川以東へなおも敵を追いつづけているものにちがいない。
「……と、すれば」
尊氏は思案になやむ。
もう明石海峡はすぐ目のさきだ。すみやかに退いた敵の義貞の覚悟のほどもわからなくはない。必然、兵庫の要地に拠って、さらに予備の大軍を都からよびあつめ、陣をかため直していることだろう。
今は、すこしでも敵に時をかすのは当をえたものではない。それに直義の陸兵が、図にのッて、もし功にはやりでもしたら、明石の磯の隘路あたりで敵のため手いたい目にあわぬかぎりもない。