후리가나로 읽는 일본 고전
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しほんたいへいき
私本太平記(七)
吉川 英治
吉川 英治의 私本太平記(七)(しほんたいへいき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 330,262자 · 662화면
「……なるほど」
一阿弥は、やっと得心がついた容子で、その物をおしいただいた。そしてふところ深くへ仕舞ってからもういちど庭ごしの遠くの屋根へお辞儀していた。
「そのおことばで、じつはいま抱いている思いを申しあげてみるのですが、ありがたいこの御恩施をもって、ならば、ぜひ彫り上げてみたい一作がないわけでもございませぬ」
「春日へでも納めたいと希っているお願かけの仮面ですか」
「いえ。ここのおやかた様のおん生顔を、ぜひ一つ写してみたい料簡でございまする」
「え?」
と卯木は目をみはった。
「おやかた様の生顔を仮面に写してみたいというのですか」
「……で、ござりまするわ」
はなしが自己の仕事となると赤鶴のひとみは、壮者のような張りを持って、それまでの卑下などはもうどこにもなくなっていた。
「やってみたい! 今日まで歩いてきた世間の中の、どこにも見たことのないお顔ですわい! 鑿にかけて、自分の力だめしに彫ってみたい」
うわ言に似たつぶやきと共に歩きだしてもいるのである。卯木もひきずられるように小道の横へ入っていた。一阿弥はそこの真ッ黄色な山吹の叢を見ると、
「ごめんなされい」