후리가나로 읽는 일본 고전
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しほんたいへいき
私本太平記(七)
吉川 英治
吉川 英治의 私本太平記(七)(しほんたいへいき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 330,262자 · 662화면
――丘の右翼、夢野口には――正季をかしらに、天見ノ五郎、中院ノ雑掌俊秀、矢尾ノ新介正春など、多くは日ごろ正季の手に馴れている若い将士を配し、また、丘のふもと、左翼方面へは、志貴一族をさきに立て、二陣に和田五郎正隆、同苗助康、八木ノ入道法達、神宮寺正師などの――いくさの駈引きにも騎馬戦にも屈指な者をすえていた。
すべて、それらは、正成がゆるし、また、正成へゆるしている、一心同体の人々だった。――が、なお味方であって、別個な隊が見えなくもない。しいて義貞がこれへ加勢に添えた一軍で、その中には、九州の菊池武重の弟、菊池武吉などもいた。つまり客将としてである。
しかし、正成にすれば、きょうの戦に、客将をおく場所などはない。菊水旗の下は、一死を誓った者のみの、真空の陣地である。人は知らず、ここは死を笑って享受できる人間たちだけで坐ろうとしている菩提の一山なのだ。――せっかくな義貞の配置や客将の菊池武吉には気のどくだが、おそらく正成は、加勢の兵力など、兵の数には入れていなかったであろう。
「やっ?」
ぬッと立って、後ろで叫んだ者がある。正成の甥、楠木弥四郎正氏だった。