후리가나로 읽는 일본 고전
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しほんたいへいき
私本太平記(七)
吉川 英治
吉川 英治의 私本太平記(七)(しほんたいへいき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 330,262자 · 662화면
「おお、かしこに小さい部落が見える。あれへ籠って」
と、一せいに駈けこんだ。
そこは安養寺山の背で、附近には楠が多く、俗に楠谷ともよばれている。正成は部落の口で、しばらく東をながめていた。――生田の浜脇から神社の森へかけて展開していた新田義貞の陣も、いまはあとかたなく、敗北の総なだれを、はるか御影の彼方へ没してしまい、あとには、足利勢らしき散兵の動きだけしか望まれなかった。
「義貞は無事に落ちた――」
正成は、そう見とどけていたことであろう。それを一つの戦果とながめて、「これでよし」と、独りうなずいたかのようでもあった。そして、墓場のような部落の内へさしかかると、先に偵察をかねて走り込んだ隅屋新左、宇佐美正安らが、駈け戻って来て、こう告げた。
「ここはまったく無人の部落、敵の一兵も見えません。そして時宗の道場にや、住僧もいぬ古びた小寺がございました。おやかたをまん中に、一同で腹を切るには究竟な場所と、御舎弟さまには、はやそこで、お待ちうけにございまする」
――そこへ、と、正成はまた歩いた。郎従たちは自分の疲労や深傷は忘れて、跛行をひいて歩く正成の一歩一歩をいたわりつつんだ。