일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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しほんたいへいき

私本太平記(三)

吉川 英治

吉川 英治의 私本太平記(三)(しほんたいへいき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 222,108자 · 446화면

아오조라 문고

――久子もまた、良人のその声を、叱咤にほかならぬものと聞いた。――で、爺や南江正忠などに守られながら、多聞丸、二郎丸、三郎丸らの幼子を連れ、涙ながら火宅の下を追わるるように、疎開先の千早の奥へ落ちて行った。

「…………」

妻子の影を見送って後、

「これでいい」

正成は全身の血がひくような安心感をもった。そして、べつな自己に返っていた。

が、彼はまだ一族大勢とともに、駒をつらねて、燃えさかるわが古館を弔うごとく門前にたたずんでいた。――もうそこの炎は猫の子、鼠一匹残すまい。すべては灰だ。

同時に、祖父や父の代に積まれた多少の財も、悪党楠木の名とともにこれで終ろう。あとはいずれ短い自分の半生と、さきに菩提寺の庭へ移させた妻の記念の柿の木が一本あるだけだと思う。

火は母屋の上へ燃えぬけてきた。そしてその大屋根の切妻の辺には、橘紋の古い旗がひらめいていた。

累代の楠木家の当主が、遠い地方まで出張ッて、しばしば土豪的な荒稼ぎをやった陣頭の旗である。正成もまたこの旗を用い二、三度は喧嘩掠奪の快をむさぼった青年期もあったが、幼少から通っていた兵学の師毛利時親の本心に疑いをもちだし、またほかの学問へ身を入れたり、妻子と愉しむ日を無上として来てからは、とみに領土欲や物欲のために血をながす明け暮れなどは厭わしくなり、家の軍旗など