후리가나로 읽는 일본 고전
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しほんたいへいき
私本太平記(四)
吉川 英治
吉川 英治의 私本太平記(四)(しほんたいへいき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 229,324자 · 458화면
ただ行きずりの法師となって、ねんごろに優しゅう物問いして帰れよ」
と、言い直した。
「こころえました」
浄明は、すぐ去った。狂女の輿の行くさきを途々人にききながら、やがてその宿をさがしあてていた。
櫛田ノ浜の松原を東へ、なおも松に飽き飽きするほど歩いて、そこも松林のうちだった。――見れば何かの小社と一堂がある。
「はてな」
浄明はゾクと襟もとを寒ム気に吹かれた。
考えてみると、ここは?
つい先ごろ。菊池ノ寂阿入道武時以下の一族が、探題邸へ決死の朝討ちをかける前夜、屯していた息ノ浜にちがいなかった。――と気がついてからは、そこらの昼の青暗さも、ド、ド、ド、ド……と背なかを押して来る波音までが彼にはすべて不気味な世界のものだった。
それさえあるに、やがておとずれていた一堂の玄関もまたひどく荒れ寂びていて、いくど呼んでみても答えはなかった。そしてやっと媼の家来らしき者が出て来たが、一こうその男も無口で何の受け答えも通じない。そこで浄明は言ってみたのである。「……ぜひ、御息女へ祈祷の加持をしてさし上げたい。ご心配の中ではおわそうが、ともあれ病間へお取次ぎくだされたい」