일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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あきのまぼろし

秋の幻

豊島 与志雄

豊島 与志雄의 秋の幻(あきのまぼろし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 4,242자 · 9화면

아오조라 문고

今年は作がよく出来て結構でございますね。」

「へえ、天道様はよくしたものでがっせ。去年は不作で米が安かっただが、今年はそのうめ合せだちゅうんで……。」

村で、絹物や袴を仕立てることの出来る唯一人の女として、また学問のある唯一人の青年として、村人は彼等の前にその笠を脱いで通った。そして彼等の家の縁側には、よく巡礼の人達が茶を飲んでいった。

菅笠に草鞋脚絆の姿で、白木の杖をついた女の巡礼者達は、彼の屋敷のすぐ側に在る大師堂の方から、疲れた足を引きずって来て、一杯の渋茶に喉を濡した。額に皺の寄った眼の輝いた老女が、或時やはり彼の家へ招じられて、縁側で渋茶をすすりながら、彼の顔をじっと見つめてこんなことを云った。

「あなたは寅年のお生れでございますな。……ああやっぱりそうでございますか。一目見れば分ります。それでは守り本尊の虚空蔵菩薩様を信心なさらねばいけません。ありがたい菩薩様で、米を一粒人に恵んでやれば十粒にして返して下さると申します。……いいお生れの方でお仕合せでございます。」

そういう巡礼の人々が語ってゆく話は、遠い生れぬ先に聞いたように思われる話ばかりだった。