후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
かがくのじょうしきのため
科学の常識のため
宮本 百合子
宮本 百合子의 科学の常識のため(かがくのじょうしきのため)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 9,479자 · 19화면
第六話。山、氷河、および地殻の歴史を語られるにつれて、私たちの心によみがえるのはチンダルの「アルプスの旅より」「アルプスの氷河」などである。どちらも岩波文庫に訳されているのは知られるとおりである。アイルランド生れの物理学者であったジョン・チンダルは地質学者ではなかったが、数十年をへた今日でも、このアルプスを愛し氷河に興味をもった物理学者の観察の記述は精細さで比類すくないものとされている。面白さ、科学性と人間性の清潔な美しさにおいてもまた比類は少いだろうと思う。若い女のひとたちは山へも登って、自然の容相にどんな心の糧を見出しているのだろうか。
山に関する本もどっさりあろうと思う。しかし、よく見かけるのはいずれも山に対してあまり抒情的であり、しかもその抒情性がいかにも東洋風で、下界の人間の臭気から浄き山気へのがれるというような感情のすえどころから語られているのが、いつも何か物足らない心持をおこさせる。今日のひとが山を好むのは、さわがしい下界からの逃避の心持からばかりではないだろうと思う。自分の体力、智力、自分とひととの経験の総和についての知識とその実力とが、むき出しな自然の動きと直面し対決してゆく、その味わいでの山恋いではないだろうか。