후리가나로 읽는 일본 고전
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けいこばにて
稽古場にて
岸田 国士
岸田 国士의 稽古場にて(けいこばにて)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 1,431자 · 3화면
事の序に、フランスで作った映画の「どん底」も古いフィルムを借りて来て観た。この方はジュヴェが男爵に扮し、ギャヴァンがペーペルの役で出ているが、誠につまらぬ映画のようにおもわれた。
稽古場に帰って、皆で感想を語り合ったが、私が座員諸君の注意を促したのは、モスクワ芸術座の「どん底」が、想像以上に明るい印象を与えた、ということであった。それはなんのためか? いろいろ原因はあるが、第一に、こういう生活のなかにもあるロシア民衆の底抜けの楽天性である。しかし、この民族的特質は、やはり、ロシアの俳優でなければ、十分に出せないものではあろうけれど、われわれもそのことを頭において、それぞれの人物のイメージを描かなければならぬこと、演出上の配慮もまた、この一点を忘れては大事なものを失う結果になること、であった。だいたいに、日本人のわれわれは、生活の不幸な面、例えば、貧しさとか、病いとか、怒りとか、争いとか、特に死というような場面を舞台の上に描き出す時、必要以上に感情的な表現をする傾向がある。これは一種のセンチメンタリズムである。感傷の過度は常にヒステリカルな表情になる。