후리가나로 읽는 일본 고전
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くうをとぶパラソル
空を飛ぶパラソル
夢野 久作
夢野 久作의 空を飛ぶパラソル(くうをとぶパラソル)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 20,190자 · 40화면
そうして右手で襟元を繕いながら、左手で前裾をシッカリと掴むと、白足袋を横すじかいに閃めかして、汽鑵車の前に飛び込もうとしたが、線路の横の砂利に躓いて、バッタリと横向きに倒れた。その拍子に右手で軌条を掴んで起き上りかけたが、何故か又グッタリとなって、軌条のすぐ横の枕木の上に突伏した。そのまま白い両手を向うむきに投げ出して、肩を大きく波打たして、深いため息を一つしたように見えた。
私はそれを石のように固くなったまま見とれていたように思う。身動きは愚か、瞬き一つ出来ないままに……と思う間もなく女の全身に、真黒な汽鑵車の投影が、矢のように蔽いかかった。するとその投影の中から、群青と淡紅色のパラソルが、人魂か何ぞのようにフウーウと美しく浮き出して、二三間高さの空中を左手の方へ、フワリフワリと舞い上って行ったが、その方にチラリと眼を奪われた瞬間に、虚空を劈く非常汽笛と、大地を震撼する真黒い音響とが、私の一尺横を暴風のように通過した。
思わず耳と眼を塞いで立ち竦んでいた私は、その音響が通過すると直ぐに又、新聞記者の本能に立帰った。編上靴を宙に踊らせて、二十間ばかり向うに投げ出されている、屍体の傍へ駈けつけた。