후리가나로 읽는 일본 고전
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かまどのなかのかお
竈の中の顔
田中 貢太郎
田中 貢太郎의 竈の中の顔(かまどのなかのかお)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 7,439자 · 15화면
「そうですかな」
三左衛門は話を碁の方へ持って往った。
「では、また一つ願いましょうかな」
僧は十日ばかりも続けて来たが、某日用事でも出来たのか待っていても来なかった。三左衛門は主翁を対手にして碁を打つ気もしないので、江戸から伴れて来ている若党を供に伴れて戸外へ遊びに出た。
初夏の山の中は嫩葉に飾られて、見おろす路の右側の谷底には銀のような水が黒い岩に絡まって見えた。杜鵑の鳴くのが谷の方で聞えていた。三左衛門はどこか眺望の佳い処はないかと思って、本道から折れて小さな峰の方へ径を登って往った。
駒ヶ嶽であろう頂上の薙ぎ禿げた大きな山の姿が頭の上にあった。その山の頂の処には蒼白い雲が流れていた。
径は杉や檜の林の中へ入った。大きな山の姿も空の色ももう見えなかった。檜の枝には女蘿がかかって、霧しぶきのようなものが四辺に立ち罩めて冷たかった。
岩の多い雑木林となって、径は小さな谷川の流れへ出た。
「旦那様、あんな処に小屋がありますよ」
すぐ後を歩いていた若党が云うので、三左衛門はふり返った。若党は谷のむこうの遥か上の方へ指をやっていた。
「どこだ」
「あすこでございます」