후리가나로 읽는 일본 고전
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きょうそう
競漕
久米 正雄
久米 正雄의 競漕(きょうそう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 16,312자 · 34화면
そしてお互いに敵手が案外人の好いのに驚いた。敵愾心などというものは平凡な発見ではあるが、ある団体間の自欺的邪推であるということが個人個人にはわかった。物に感じやすい四番の斎藤なぞは漕いでしまってから向うの舵手に「御苦労でした」と言われて今までの敵意をすっかり「隅田川へ流してしまった」と自白したほどであった。
しかし主将たる窪田らの心の中はこの間にも敵の船脚や漕法に注意することを怠らなかった。彼は競漕の間に自分の艇へ来ている敵の中堅がどれだけ漕力があるか試そうと思って、ラストで思いきり急にピッチを上げて見た。そして敵手のなかなか侮れないのを知った。
その時の競漕では久野や窪田のいる文科勢の五人の艇の方が勝った。久野は初めて競漕行路の舵を曳いて見るの機会を得た。
その日のころから練習はいよいよ激しくなって行った。先輩がしげしげ来て選手を励ましたり、みずから間諜となって敵の選手の漕力を測ったりした。ある日久野は舵を水原という先輩に頼んで、自身でスパイに出たことがあった。彼は綾瀬口の渡しを越えて向う河岸の枯蘆の間に身を潜めながら、農科の艇の漕ぎ下るのを待っていた。