후리가나로 읽는 일본 고전
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きょうそう
競漕
久米 正雄
久米 正雄의 競漕(きょうそう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 16,312자 · 34화면
――と久野は思った。夕日が今戦いのあった水路を掠めていた。久野は再びそれとそれから岸にいる観衆近くに漕ぎ寄せた応援の人々の単一な顔を珍らしげに見廻した。
五
その夜いつもの慣例に従って常盤華壇で祝勝会があった。競漕からもう数時間を経ていた。それで各選手はおのおの過去の緊張の瞬間を思い出しては、理路を立ててそれを語るだけの余裕を持っていた。酒が廻り出すと今まで、勝利の因を他に嫁していた人々も、おのおのの功績を語るに急になった。そしておのおのの戦跡を誇張して語るのが、なお勝利の念を深めかつ悦ぶのに必要であるかのように思われ出した。それでおのおのは自分の誇張をも是認してもらうために、他の誇張をも承認した。そして会の終るころにはもう立派な戦史が出来上ってしまった。すべての偶然が必然性を帯びて来る。それからすべての事件が吉兆として思い出されて来る。彼らは競漕に勝ったよりも、競漕に勝ったことを語るのを悦んでいるかのごとくであった。
聴いている人も、悦んで聴いてやらなくては選手に済まないと思って、それを助長させる傾向がないでもなかった。
久野は冷たい酒を呑み乾しては、その場の光景を冷観しようと骨を折った。