후리가나로 읽는 일본 고전
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ちくはくき
竹柏記
山本 周五郎
山本 周五郎의 竹柏記(ちくはくき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 45,798자 · 91화면
もし必要なら、不足の金は用立てる、と云った。八束はすなおに頭をさげ、やむを得なかった事情を述べて、若干の借用を求めた。孝之助はそれだけの金を(かなり無理をして)貸したが、そのときの八束の、少しの弁解もせず、悪びれたふうもなく、あまりにすなおに過失を認め、頭をさげたようすが、――本来なら好い感じを受ける筈であるのに、――なにかしらん不愉快な、はぐらかされたような印象を受けた。
――彼はまた同じようなことをやる。
孝之助はそう思った。
――うっかり信頼のできない男だ。
その感じは動かしがたいものであった。そして、その八束が、笠井の杉乃と文の交換などしていて、杉乃が両親に激しく叱られた。ということを聞いたとき、孝之助は、杉乃を自分が嫁に貰おう、と決心した。
――ほかの者ならともかく、岡村にだけは渡してはならない、どんなことがあっても、八束の嫁にだけは、……断じて。
生れて初めて、孝之助は、燃えるような闘志に駆られた。
彼はじかに八束と会って、自分が杉乃を愛していること、杉乃を貰うためには、いかなる手段をも辞さない、ということを、宣告するような口ぶりで云った。