후리가나로 읽는 일본 고전
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はこねのやま
箱根の山
田中 英光
田中 英光의 箱根の山(はこねのやま)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 16,963자 · 33화면
「さァ来い。よく登って来たぞ。偉いッ。泣く奴があるか。バカッ、泣くな」と叱りながら、自分の弱さを子供に持たせたくない一途の気持で少し狂気染みてさえいたバカな親父は、急に熱いものを眼に溢れさせていた。
そこで一郎を休ませ、今度は私が藪の中に潜りこみ、「アッツ、アチチ」と茨で掻かれながらも這いずり回って、漸く靴と帽子を探し拾って来てやると、一郎の泥を払い、血を口で嘗めてやったりしてから、靴を穿かせ、帽子を冠らせ急にへたばった自分の身心を励まし、更に重くなった子供の手を引いて、再び歩き出した。
直ぐそこから間もなく、双子山の冠帽を右手に見て、平らな高原の中の一本道になった。名も知らぬ沢山の高山植物が、左右にどこまでも生え揃っている草原の中を、なにか妙に心細い気持で歩いて行くと、右側に、親鸞が配流から帰る途、ここで師法然の訃を聞いたと言う地点に、その時、親鸞の詠んだ歌を記した記念碑が立っていた。その高原も過ぎ、両側に葉をふるい落した桜の並木が続いている道を暫く歩き続けて行く中、一郎はもうどうにも我慢ができなくなってしまったらしい。
「お父さん」と私の顔を見上げるや、自然にヘタヘタと地面に坐ってしまった。