후리가나로 읽는 일본 고전
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ふんにょうたん
糞尿譚
火野 葦平
火野 葦平의 糞尿譚(ふんにょうたん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 51,974자 · 99화면
赭土の道に豆粒をまくように穴をあけてつきささるはげしい雨脚を眺めながら、彦太郎は、ひょっくり、吃りの天野久太郎のことを思い出し、今夜は是非天野を説得して組合のことを協議しなければならぬ、と思った。
朝早く、車体検査のため、沢田がトラックを運転して出た後、彦太郎は油で汚れた手を洗濯石鹸で洗って、柱に腰を下すと、昨夜残しておいた焼酎のあったのを思い出し、細目の金網の張ったみずやの中から一升徳利を取り出した。栓をとって覗いてみると、半分程あるらしいので、彼は人の好さそうな笑いを浮かべ、湯呑茶碗についで、ごくんごくんと飲んだ。咽喉を透る痺れるような気持をたしなむように眼をつぶり、右手で胸を押え、しばらくじっとしていた。食道をすぎて胃袋に入って行くのがはっきりわかり、精気がついたように身体中が膨れて来るのを感じた。これで今日も一日元気で働けると思い、彼の苦難に満ちた四十五年の生涯が、この一杯の焼酎の中に溶けこんでしまったような、洋々とした気持になった。三杯ほど引っかけ、立ち上ると、集金帳を下げて表に出た。ぎらぎらと光る砂が彼の眼を射すくめたが、陽炎のあがるその砂丘の向こうに、幻燈のようにまっ青な海が横たわり、防波堤に白い飛沫をあげて、だうんだうんと鳴っていた。