후리가나로 읽는 일본 고전
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こうばいのきゃく
紅梅の客
吉川 英治
吉川 英治의 紅梅の客(こうばいのきゃく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 7,574자 · 15화면
ことし七十歳である。それでいて“無手童女像”といってよいほどその小づくりな老尼振りはにこやかで美しい。口で優雅な字を書く、また絵も描く。かつては某画家の妻にもなり、子を生み、また別れては寄席に出るなどの数奇な運命を生き抜いてきたという。
――古い明治末期の新聞の社会面をにぎわした“堀江の六人殺し”のそば杖をくって、ただひとり奇蹟的に生きのこった当時の芸名妻吉さんが、この順教尼の前身なのであった。
近ごろ常岡一郎氏との共著で「無手の倖」という一著をこのひとが出している。その中に、よねちゃんという幼な友達のことが載っている。尼もまだ両手もあり舞妓の妻吉とよばれていたころの友達だった。それからのち奇禍にあい、ずっと年経てから偶然に、ふたりは吉原の辰稲弁楼のひきつけで会った。そのころの文筆家沢田撫松、松崎天民、それから芸界の若柳吉蔵、市川升蔵、先代桜川善孝といったような人たちが、妻吉を東京へつれて来た折のことである。ひと晩、吉原見物をといって上がったのが前述の辰稲弁楼で、幼な友達のよねちゃんが、瀬川といって、辰稲のお職を張っていたのであった。
こんな劇的なことから、彼女は、よねちゃんの瀬川花魁のもとへ、男のように通いつめた。