일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

ja-reading.com

후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.

むらさきのびん

紫の壜

豊島 与志雄

豊島 与志雄의 紫の壜(むらさきのびん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 11,802자 · 24화면

아오조라 문고

そして店の方へ彼女は立って行った。

そのちょっとした隙間に、私は覚悟をきめた。いや寧ろ、覚悟とも言える決定的なものが、自然に生れてきたのだ。――戸棚のわきの文机に、インクスタンド、硯箱、人形、切子硝子の花瓶、手箱の類など、ごたごた並んでいる、その片端に、小さな紫色の壜が置かれていた。先刻、話のついでに、彼女が私に見せた毒薬の壜だ。彼女はそれを無雑作に机に置いたまま、忘れてしまったのであろうか。然し私の意識の底には、それが引っかかっていたらしい。縋つく手掛りさえない彼女の冷淡な言葉や、思いがけない熱い接吻や、夢のような彼女の涙や、それから何よりも、自分の卑劣な惨めな愛情に思い当った悲しみなど、そんなものが重なり合って私の上に押っ被さってき、私は深く深く沈んでゆく思いで、その深い淵から、紫色の壜をちらちらかいま見ているようだ。彼女が室から出て行くと、その壜がはっきりと見えてきた。

私はセンチにはなっていなかった。彼女は何と思ってあんなことを言ったのだろうか。おそらく彼女自身に向って言ったのであろう。私は酔ってはいたが、決してセンチに取り乱してはいなかった。