후리가나로 읽는 일본 고전
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さいきこうい
細木香以
森 鴎外의 細木香以(さいきこうい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 22,332자 · 45화면
父は千住で医業をしていたが、それを廃めてわたくしと同居しようとおもった。そして日々家を捜して歩いた。その時この家は眺望の好い家として父の目に止まった。
団子坂上から南して根津権現の裏門に出る岨道に似た小径がある。これを藪下の道と云う。そして所謂藪下の人家は、当時根津の社に近く、この道の東側のみを占めていた。これに反して団子坂に近い処には、道の東側に人家が無く、道は崖の上を横切っていた。この家の前身は小径を隔ててその崖に臨んだ板葺の小家であった。
崖の上は向岡から王子に連る丘陵である。そして崖の下の畠や水田を隔てて、上野の山と相対している。彼小家の前に立って望めば、右手に上野の山の端が見え、この端と向岡との間が豁然として開けて、そこは遠く地平線に接する人家の海である。今のわたくしの家の楼上から、浜離宮の木立の上を走る品川沖の白帆の見えるのは、この方角である。
父はこの小家に目を著けて、度々崖の上へ見に往った。小家には崖に面する窓があって、窓の裡にはいつも円頂の媼がいた。「綺麗な比丘尼」と父は云った。
父は切絵図を調べて、綺麗な比丘尼の家が、本世尊院の境内であったことを知った。