후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
さいきこうい
細木香以
森 鴎外의 細木香以(さいきこうい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 22,332자 · 45화면
崖の上の小家の址は、今は過半空地になっている。大正四年に母が七十の賀をする代に、部屋を建てて貰いたいと云ったので、わたくしは母の指図に従って四畳半の見積を大工に命じた。そのうち母が大病になった。わたくしは母の存命中に部屋を落成させようとして工事を急いだ。五年三月に部屋は出来て、壁の中塗だけ済んだ。母はこれに臥所を徙して喜んだが、間もなく世を去った。今わたくしが書斎にしているのがこの部屋で、壁は中塗のままである。昔崖の上の小家の台所であった辺が、この部屋の敷地である。
父母と共に崖の上の小家に移った時から、わたくしは香以の名を牢記している。既にしてわたくしはこの家の旧主人小倉が後に名を是阿弥と云ったことを知った。香以は相摸国高座郡藤沢の清浄光寺の遊行上人から、許多の阿弥号を受けて、自ら寿阿弥と称し、次でこれを河竹其水に譲って梅阿弥と称し、その後また方阿弥と改め、その他の阿弥号は取巻の人々に分贈した。是阿弥はその一つだそうである。
香以は明治三年九月十日に歿した。翌四年の一周忌を九月十日に親戚がした。後に取巻の人々は十月十日を期して、小倉是阿弥の家に集まって仏事を営み、それから駒込願行寺の香以が墓に詣でた。