후리가나로 읽는 일본 고전
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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
谷崎 潤一郎의 細雪(ささめゆき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 194,628자 · 371화면
ただ、彼も貞之助と同じように一旦鉄道線路に上り、甲南女学校の方角から駈け付けたのであったが、彼の方が貞之助より一二時間早かったために、何とか水を乗っ切ることが可能であったらしい。尤も彼自身に云わせると、自分は三度押し流されて死に損ねた、当時自分以外にあの激流の中へ飛び込んだ者は一人もなかったと云うのであって、それも満更偽りではないであろう。そして、彼が辛うじて学院の建物へ取り着いた後に於いて、津浪が絶頂に達したのであった。彼は暫く校舎の屋上に上って茫然としていたが、ふと気が付くと、玉置女史の住宅の方の、女中部屋の屋根の上に立って頻りに手を振っている者があって、それが女中の「兼や」であった。兼やは板倉が自分に気が付いてくれたと分ると、応接間の窓の方を指さし、それから指を三本出して見せ、それから空に片仮名でタエコと書いて見せた。板倉はそれに依って、その窓の中に人が三人いることと、三人の中の一人が妙子であることとを理解するや否や、再び激流の中に躍り込み、半ばは流され、半ばは溺れ、半ばは泳ぎつつあの藤棚へ来ることに成功したのであるが、この最後の死闘が分けても冒険的なものであったこと、これこそ彼の生命を賭した働きであったことは察するに難くないのである。