일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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えほんのはる

絵本の春

泉 鏡花

泉 鏡花의 絵本の春(えほんのはる)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 6,447자 · 13화면

아오조라 문고

……幽に人声――女らしいのも、ほほほ、と聞こえると、緋桃がぱッと色に乱れて、夕暮の桜もはらはらと散りかかる。……

直接に、そぞろにそこへ行き、小路へ入ると、寂しがって、気味を悪がって、誰も通らぬ、更に人影はないのであった。

気勢はしつつ、……橋を渡る音も、隔って、聞こえはしない。……

桃も桜も、真紅な椿も、濃い霞に包まれた、朧も暗いほどの土塀の一処に、石垣を攀上るかと附着いて、……つつじ、藤にはまだ早い、――荒庭の中を覗いている――絣の筒袖を着た、頭の円い小柄な小僧の十余りなのがぽつんと見える。

そいつは、……私だ。

夢中でぽかんとしているから、もう、とっぷり日が暮れて塀越の花の梢に、朧月のやや斜なのが、湯上りのように、薄くほんのりとして覗くのも、そいつは知らないらしい。

ちょうど吹倒れた雨戸を一枚、拾って立掛けたような破れた木戸が、裂めだらけに閉してある。そこを覗いているのだが、枝ごし葉ごしの月が、ぼうとなどった白紙で、木戸の肩に、「貸本」と、かなで染めた、それがほのかに読まれる――紙が樹の隈を分けた月の影なら、字もただ花と莟を持った、桃の一枝であろうも知れないのである。