후리가나로 읽는 일본 고전
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ぶんがくずきのかていから
羅生門・鼻・芋粥
芥川 竜之介의 羅生門・鼻・芋粥(ぶんがくずきのかていから)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 31,240자 · 69화면
自分の見、自分の聞くすべてのものは、ことごとく、大川に対する自分の愛を新たにする。ちょうど、夏川の水から生まれる黒蜻蛉の羽のような、おののきやすい少年の心は、そのたびに新たな驚異の眸を見はらずにはいられないのである。ことに夜網の船の舷に倚って、音もなく流れる、黒い川をみつめながら、夜と水との中に漂う「死」の呼吸を感じた時、いかに自分は、たよりのないさびしさに迫られたことであろう。
大川の流れを見るごとに、自分は、あの僧院の鐘の音と、鵠の声とに暮れて行くイタリアの水の都――バルコンにさく薔薇も百合も、水底に沈んだような月の光に青ざめて、黒い柩に似たゴンドラが、その中を橋から橋へ、夢のように漕いでゆく、ヴェネチアの風物に、あふるるばかりの熱情を注いだダンヌンチョの心もちを、いまさらのように慕わしく、思い出さずにはいられないのである。
この大川の水に撫愛される沿岸の町々は、皆自分にとって、忘れがたい、なつかしい町である。吾妻橋から川下ならば、駒形、並木、蔵前、代地、柳橋、あるいは多田の薬師前、うめ堀、横網の川岸――どこでもよい。これらの町々を通る人の耳には、日をうけた土蔵の白壁と白壁との間から、格子戸づくりの薄暗い家と家との間から、あるいは銀茶色の芽をふいた、柳とアカシアとの並樹の間から、磨いたガラス板のよう