일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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うつくしきつきよ

美しき月夜

宮本 百合子

宮本 百合子의 美しき月夜(うつくしきつきよ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 9,063자 · 18화면

아오조라 문고

単調になりがちな愛の経過に、さっと差した輝きのような新鮮さが、彼等のうちに夢をかきたてた。彼等がまだ結婚しなかった時分に、よく老人達の傍を逃げるように抜け出しては、感傷的な夜景の中を彷徨(ほうこう)したその時分のような忘我と魂の鼓動が、まるで月光のように二つの心を耀かせているのである。

W・タンナーは米国の中部に在る大都会から、三四哩(マイル)隔った小邑の会社員であった。毎朝八時になると、彼は木造の住宅から四五丁離れた、或る電気会社の事務所に出かけて行く。そして昼に一時間休暇を貰って、家へ昼食をしに戻って来るときを除いては、朝から夕方まで、古ぼけたオークの事務机(デスク)の前に背を屈めて、無感興な数字の整理に忙殺されているのである。

まだ三十になるかならないの彼は、ようよう家族を支えて行くだけの俸給ほか貰っていなかった。従って、二人の子供達と老母とを抱いて、彼等の生活は、どこの隅にも余裕というべきものを見出すことはできない。白襯衣(ホワイトシャーツ)一枚になったWが、西日の差しこむ温室のような事務室で、よき良人らしく、忠実な父親らしく額に汗している間に、妻のマーガレットは、また彼に劣らぬ真剣さで何くれとなく家事のために奔走する。