후리가나로 읽는 일본 고전
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せいかぞく
聖家族
堀 辰雄
堀 辰雄의 聖家族(せいかぞく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 16,074자 · 33화면
彼女はそれを悪い硝子のせいにした。
或る日、そういう散歩から帰ってくると、絹子は玄関にどこか見おぼえのある男の帽子と靴とを見出した。
そうしてそれが誰のだかはっきり思い出せないことが、彼女をちょっと不安にさせた。
「誰かしら」
と思いながら、彼女が客間に近づいて行ってみると、その中から、こわれたギタアのような声が聞えてきた。
それは斯波という男の声であった。
斯波という男は、――「あいつはまるで壁の花みたいな奴ですよ。そら、舞踏会で踊れないもんだから、壁にばかりくっついている奴がよくあるでしょう。そういう奴のことを英語で Wall Flower というんだそうだけれど……斯波の人生における立場なんか全くそれですね」――そんなことをいつか扁理が言っていたのを思い出しながら、それから、彼女はふと扁理のことを考えた。……
彼女が客間に入って行くと、斯波は急に話すのを歇めた。
が、すぐ、斯波は、例のこわれたギタアのような声で、彼女に向って言いだした。
「いま、扁理の悪口を言っていたところなんですよ。あいつはこの頃全く手がつけられなくなったんです。くだらない踊り子かなんかに引っかかっていて……」