일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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せいかぞく

聖家族

堀 辰雄

堀 辰雄의 聖家族(せいかぞく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 16,074자 · 33화면

아오조라 문고

九鬼の死後、彼女の苦しんでいた様子が、絹子の中にそれまで眠っていた女らしい感情を喚び起したのとまったく同じの心理作用が、今度は、その反作用ででもあるかのように起ったのだ。そしてそれは、夫人もまた絹子と同じように扁理を愛しているかのように、彼女に信じさせたくらいの新鮮さで。――

二人はそのまましばらく黙っていた。そしてその沈黙が、絹子の今しがた言った恐しい言葉を、そっくりそのまま肯定しているかのように思われそうになった時、細木夫人はようやく自分の母としての義務を取り戻した。

そうして夫人はいかにも自信ありげな微笑を浮べながら、答えたのである。

「……そんなことはないことよ……それはあの方には九鬼さんが憑いていなさるかも知れないわ。けれども、そのために反ってあの方は救われるのじゃなくって?」

河野扁理にはじめて会った時から、夫人に、彼の生のなかには九鬼の死が緯のように織りまざっていることを、そしてそれが彼をして死に見入ることによって生がようやく分るような不幸な青年にさせていることを見抜かせたところの、一種の鋭い直覚が、いま再び彼女のなかに蘇って来ながら、そういう扁理の不幸を絹子に理解させるためには、いま言ったようなごく簡単な逆説だけで充分であることを彼女に知らせたのだ。