후리가나로 읽는 일본 고전
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ききがきしょう
聞書抄
谷崎 潤一郎
谷崎 潤一郎의 聞書抄(ききがきしょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 108,821자 · 210화면
順慶が身の上は暫く措いて、先ず秀次の末路のことを語るなら、聚楽に於いて不穏の計畫があるという風説が頻々と伏見に達するので、太閤も捨てゝ置くことが出来ず、宮部善祥坊法印、前田徳善院僧正、増田右衛門尉長盛、石田治部少輔三成、富田左近将藍の五人を使者として秀次の許へ遣わし、野心之旨有レ之ように粗被二間召一候、勿論虚説にてあるべきとは思し候え共、たしかなるように方々より告知する条、疎意なきにおいては、七枚継ぎの誓紙を以て可レ被レ盡二心底一之旨を申し入れた。すると秀次の返辞には、扨も存知も寄らざる事を承り候もの哉、如何して斯様なる企を可二存立一候哉、かく当城に在事も御芳恩之外に他なし。七枚つぎの誓紙捧可レ申旨、是又忝御事共に候、急沙汰し奉らんと、侍従卜部兼治を召して神下ろしをし、身の毛もよだつ計に神々を請じ奉り、聊以不レ存二野心一之旨を誓紙に書いた。五人の使者はそれを受け取って伏見へ帰り、御前に於いて披露したので、左もこそ有べき事なれと、太閤も機嫌を直され、一往は疑いが晴れたのであった。
挿絵
しかしながら、太閤の秀次に対する不信と不満とは由来するところ既に久しく、根深いものになっていたので、上に梵天帝釈天、下は四大天王も照覧あるべしと、物々しい誓いを立てゝみても、そのような一片の紙きれを以て収まる筈はないのであった