후리가나로 읽는 일본 고전
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ききがきしょう
聞書抄
谷崎 潤一郎
谷崎 潤一郎의 聞書抄(ききがきしょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 108,821자 · 210화면
缺所になされましたら、お道具の中から紛失の品が出て参りましたので、お取り調べがござりまして、常陸介の仕業であることが始めて知れた由にござります。されば満更あとかたのない話ではござりますまいが、御家来衆は兎に角として、殿様が左様な企てに耳をお藉しになりましたかどうか。中村田中の二人とは違うて、常陸殿とはお気合いの仲でいらっしゃいましたから、一時はお迷いなされたことがあるのでもござりましょうか」
右について聚楽物語は曰う、「常陸の守、かやうに様々計ひ申しければ、秀次も自ら御心を移され、内々にお支度ありて、大名小名によらず、御意に従ふべきと思召す者共には、お手前にてお茶を下され、或は御太刀、刀、御茶湯の道具によらず、その程々に従ひ、金銀を遣されける間、何事もあらば一命を奉らんと存ずる者共あまたなり」と。秀次は又、朝廷に白銀三千枚を上納し、五百枚を第一の皇子に、五百枚を准三宮藤原晴子に、五百枚を女御藤原前子に、三百枚を式部卿智仁親王に、五百枚を准三宮聖護院道澄に献じた。そうして相変らず殺生の悪戯をつゞけ、しば/\鹿狩や夜興に出かけたが、そう云う場合にいつも兵具を携えて、物々しい様子をしていたので、附き従う者共も具足や兜などを密かに挟箱に入れて持ち歩き、恰も戦場に赴く軍隊のような感があった。