후리가나로 읽는 일본 고전
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ききがきしょう
聞書抄
谷崎 潤一郎
谷崎 潤一郎의 聞書抄(ききがきしょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 108,821자 · 210화면
と申しますのは、五月二十五日のこと、夜更けて治部少輔殿のお邸へ、何者とも知れず文箱を持参いたして参り、聚楽より参った者でござりますが、これから浅野弾正殿のお邸へ伺わなければなりませぬ、急ぎますから帰りに御返事を戴きますと云い残して、帰った者がござりますので、番所の者がそれを殿へ差し上げますと、文箱の上に、石田治部殿まいると書いて、誰とも名を記してござりませなんだ。治部殿は不思議に思し召し、披いて御覧になりましたら、わざと子供に書かせたような拙い筆で、
近き頃太閤様聚楽へ御成とて、御用意様々御座候、中にも北山にて鹿狩の為めとて、国々より弓鉄胞の者を選びすぐり、数萬に及び召し上せられ候、是は全く狩くらの御為めならず、御謀叛とこそ見えて候へ、対面にて申したく候へども、返忠の者といはれん事口惜しく候、又申さぬ時は、重恩を蒙り候主君へ弓を引くべし、此旨を存じ、我名を隠して斯くの如し
と云う文面でござりました。それで大いにお驚きなされ、殿下へ言上なされますと、関白に何の遺恨があろうぞ、定めし讒者の仕業であろうと仰っしゃって、お取り上げになりませなんだが、いや/\、そうとばかりは申せませぬ、思いあたる節もござりますから、先ず某が密々に調べてみましょうと申されて、田中兵部大輔どのへお使者をお立てになりました。