후리가나로 읽는 일본 고전
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じじょでん
自叙伝
大杉 栄
大杉 栄의 自叙伝(じじょでん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 115,021자 · 230화면
そして坊さんは幾晩か泊って行ったようだった。
その祈祷のおかげでお化が消えてなくなったかどうかは今よく覚えていない。しかしこの坊さんというのがどうもくせものだったように思われる。
石川や大久保の家ではこのお化の話をてんで相手にしなかった。そしてそれを、要するにその坊さんを泊りこませたい、何等かの策略のようにうわさしていた。山形のお母さんというのはちょっと意気なところのある人だった。
それから、やはりその頃のことだが、戦勝の祈祷と各自の夫の無事を希う祈祷との、夫人連の会があった。その祈祷にはやはり今ここに問題になっている坊さんが出たのだった。そしてその席上で、どことかの奥さんが、その坊さんの肩にしがみついたとかどうとかという話もあった。また、その坊さんのお寺というのは、新発田から三里ばかりある菅谷という山の中にあるのだが、そこまでわざわざお参りに行った奥さんもあった、というような話もあった。
が、このお化は僕の家にもたった一度出た。母は何かの病気で一週間ほどどこかの温泉へ行っていた。その留守のある晩に、僕のすぐの妹と女中とが夜なかにふと目がさめてどうしても眠られずにいる間に、台所の方で例のカタカタコトコトが始まった。